「NHK」といえば一般的には日本放送協会が知られていますが、実はニッパツの方が使用歴が長いんです。ニッパツが商標および英文登記名として使用開始したのは、現社名を定めた昭和14年9月8日です。一方、日本放送協会がJOAKなどに代えて「NHK」の呼び方を使い始めたのは戦後のことです。同協会から当社に使用許可を求めてきましたが、当社は相手が公共事業であることから快く承諾したという経緯があります。以後、2つの「NHK」は共存しているわけです。戦後、「放送局のばねをくれ」と言ってユーザーが代理店の窓をたたくことも珍しくなかった時代に、当社の社員が出張先で、トラックの運転手に「どこのばねが一番安心して乗っていられるか?」とたずねたところ「放送協会マークのばねだ」と答えられたというエピソードもありました。
日本経済新聞 2008年4月28日(朝刊)
本社・横浜事業所